屋形船の前に東京街歩き!音を愛でる文化を今に伝える「江戸風鈴」絵付け&人気の柄編

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江戸風鈴・絵付け暑い夏を涼しく過ごす工夫を重ねてきた日本人。中でも音で「涼」を呼ぶ風鈴は、日本独自のものです。

前回、前々回と2回に渡り、江戸時代からの伝統的な風鈴づくりの技法を守り続ける「江戸風鈴」の老舗、「篠原風鈴本舗」さんをご紹介。

1回目は「江戸風鈴」の基礎知識や歴史について2回目は「江戸風鈴」の作り方と魅力についてをお伝えしました。

3回目の最終回は、伝統を守りながら、新しい風鈴の絵柄に挑戦する「絵付け」についてと人気の柄ベスト3をご紹介しましょう。

「江戸風鈴」はガラスの内側から絵付け

江戸風鈴は内側から絵付け

「江戸風鈴」の絵柄はガラスの内側から描いていきます。

立体的かつ、内側から逆算してバランスよく絵を書くのは、なかなか難しいのではないでしょうか?

使っているのは顔料を油で溶いたもの。内側に描くので雨に当たっても落ちにくいですが、油性にすることでさらに絵が長持ちするそうです。

一つ一つ油性の顔料で内側から描く

(C)篠原風鈴本舗

もちろん絵も一つ一つ手描き。

「篠原風鈴本舗」には現在、男女3名ずつ、6人の職人さんが働いていて絵付けを行っているそうです。ちなみにガラス吹きの職人さんは3名。

二代目にして会長、「江戸風鈴」の名付け親である篠原儀治さん。

三代目を継いだ長男の裕さんが急死し、急遽その妻である恵美さんを中心に、職歴20年以上の職人さん2名、娘さんの由香利さんとその夫公孝さん、由香利さんの妹さんが切り盛りしています。

1日だいたい100個ぐらい、絵付けまで完了した風鈴を皆さんで製造しているとのこと。

風鈴に描く絵は「見様見真似で練習し、描けるようになった」と社長の篠原恵美さんはいいます。

由香利さんは「東京の街並みを切り絵風に表現した”TOKYO”」で、2011年に東京都の伝統的工芸品チャレンジ大賞の奨励賞を受賞。

続いて、2013年には第30回江戸川伝統工芸展教育委員会賞を受賞されています。

東京の街並みを切り絵風に表現した作品

(C)篠原風鈴本舗

由香利さんも特に美大出身でもなく、専門的に絵を習ったわけではないそうです。

恵美さんは「数をこなせばできるようになります(笑)」とおっしゃいますが、絵心のない編集部Iにはとても無理そうです・・・。

ちなみに会長の儀治さんは大正13年生まれ、江戸川区無形文化財保持者。東京都優秀技能賞受賞、都知事賞受賞工芸会会長としてまだまだ現役として活躍中です。

平成16年には、石原都知事から名誉都民の称号授与されています。

「江戸風鈴」人気のトップ3はこれ!

江戸風鈴人気ベスト3

「篠原風鈴本舗」で人気の絵柄ベスト3は、金魚・花火・アジサイの絵柄の江戸風鈴。

見た目も涼しげな透明ガラスに、日本的なモチーフの絵柄です。

風鈴の形は「小丸型」というもので、直径約8㎝、高さ7㎝の大きさ。

花火といえば、江戸川の花火大会は毎年8月第一土曜日に開催される人気の花火大会ですね。

最近では、対岸の千葉県市川市と共同開催になり、スケールアップ。僧打ち上げは国内最大級1万4千発といわれています。

昨年も屋形船での花火見学の問合せが殺到し、アッという間にソールドアウトしてしまいました。来年はぜひ、ぜひお早めにご予約を~。

「江戸風鈴」最新作は、暗いところで光る顔料を使った蛍の風鈴!

江戸風鈴 蛍

蛍は夏の季語。初夏に水辺で冷たい光を放ちながら浮遊する姿は、日本的な風景ですね。

明るいところで光を蓄え、暗くなると一定時間発光する蓄光塗料で描かれた蛍。

風鈴に音だけではなく、視覚的な涼やかさもプラスされた斬新な作品です。

実は篠原由香利さん、女子美術大学の学生さんとのコラボレーションで、これまでにないデザインに次々挑戦中。

「篠原風鈴本舗」では江戸時代からの伝統を受け継ぎながらも、新しい風鈴デザインが日々生まれています。

「江戸風鈴」と異業種とのコラボレーションも!

江戸切子とのコラボ風鈴

江戸切子とのコラボ風鈴

異業種とのコラボレーションに積極的に取り組む由香利さん。

同じ伝統工芸品である江戸切子とコラボした風鈴にもチャレンジしています。

また、円谷プロと組んだウルトラマンシリーズや手塚治虫プロと組んだヒョウタンツギ風鈴など、ファンにはたまらない作品も!

ヒョウタンツギ風鈴は「江戸川区名産品」えどコレ!匠 新世界プロジェクトで購入できますよ。

ヒョウタンツギ

ヒョウタンツギの江戸風鈴(C)篠原風鈴本舗/TEZUKA PRODUCTIONS

この他、季節感を感じさせるハロウィンのお化けカボチャやクリスマス、ゆるキャラなど、風鈴のイメージを一新する絵柄もあります。

アパートやマンションなどで、風鈴を下げるのは難しいかも、という場合は、風鈴専用の卓上スタンド(鉄製・竹製)もあります。

お気に入りのデザインを飾り、インテリアとして楽しんでもいいですね。

屋形船に乗る前に「江戸風鈴」の制作現場見学と絵付け体験はいかが?

工房見学が可能

江戸風鈴工房見学が可能

「篠原風鈴本舗」では、7月~9月上旬の繁忙期、お店の定休日(日祝日)を除き、工房見学や制作体験を受け付けています。

また、江戸風鈴の制作体験も可能。

吹きガラス体験

(C)篠原風鈴本舗

ガラス吹きから絵付けまでの体験と、絵付けのみの体験もOK。

絵付け体験スペース

絵付け体験スペース

小学校や修学旅行の体験プログラムとしても大好評だそうです。

屋形船に乗る前に、江戸風鈴制作体験もおすすめ!

絵付けした風鈴はその日の内に持ち帰りできるので、とてもいい思い出になりますね。お土産やプレゼントにしても喜ばれますよ。

3回に渡り、ご紹介してきた「江戸風鈴」、いかがでしたでしょうか。

取材させていただき、いままでの風鈴に対するイメージががらりと変わりました。

皆さんもぜひ、古くて新しい「江戸風鈴」の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

■取材協力
篠原風鈴本舗篠原風鈴本舗
東京都江戸川区南篠崎町4-22-5
問合せ先:03-3670-2512
営業時間:9時~18時(12時~13時は昼休憩)、日祝休み
※イベント等のお知らせはFacebookで確認してください。

◆江戸風鈴の見学・制作体験可能【要予約】
繁忙期(7月~9月上旬)をのぞき、見学可能です。
工房見学並びに制作体験希望の場合は、必ず電話でお問合せ頂いた上でご予約ください(日曜・祝日はお休み)。

●絵付けのみの体験:1人1,500円(税込)
・所要時間約1時間
・定員100名まで
●吹きガラスから絵付けまでの体験:1人2,000円(税込)
・所要時間約1時間45分
・定員40名まで

 

▼江戸風鈴の伝統を今に伝える「篠原風鈴本舗」取材レポート

 

 

▼ 江戸風鈴制作体験・見学をしたら江戸川から屋形船に乗ろう!
貸切送迎バスを利用すれば移動もラクラク!「篠原風鈴本舗」からの距離と移動時間も参考にしてください。

●屋形船【網さだ】のお料理プラン(送迎バスで約15分・約3㎞)
●屋形船【あみ達】のお料理プラン(送迎バスで約15分・約3㎞)
●屋形船【船宿 豆や】のお料理プラン(送迎バスで約15分・約3㎞)
●屋形船【あみ幸】のお料理プラン(送迎バスで約18分・約4㎞)
●屋形船【あみ貞】のお料理プラン(送迎バスで約15分・約3㎞)
●屋形船【船宿 吉野】のお料理プラン(送迎バスで約20分・約5㎞)
●屋形船【須原屋】のお料理プラン(送迎バスで約23分・約5㎞)
●屋形船【あみ弁】のお料理プラン(送迎バスで約18分・約4㎞)
●屋形船【たかはし丸】のお料理プラン(送迎バスで約18分・4㎞)

その他の屋形船ご紹介≫

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