屋形船の前に東京街歩き!音を愛でる文化を今に伝える「江戸風鈴」歴史編

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浅草・ほうずき市 風鈴

浅草・ほうずき市より

夏になると涼しげな音色を奏でてきた風鈴。

家の軒下に吊り下げられていたその音色を聞くと、懐かしくも温かな思いがこみ上げてきます。

最近ではマンションやアパートが増え、風鈴を吊り下げている家はめったに見なくなりました。

それでも東京の下町を歩くと、風が吹くたびに「チリン、チリン」と聞こえてくることがあります。

今回は1915年創業以来、「江戸風鈴」を造り続けている「篠原風鈴本舗」さんを取材してきました。

日本らしい「音」を愛でる文化を代表する、夏の風物詩について、3回に渡り、ご紹介していきたいと思います。

1回目は「江戸風鈴」の基礎知識や歴史についてです。

そもそも風鈴の起原とは?

風鈴の起原

風鈴そのものは、日本だけではなく、世界各地に存在しています。

その起源をたどると約2,000年前、唐の時代の中国にあるといわれ、もともとは吉凶を占う道具として使われていたそうです。

「占風鐸(せんふうたく)」と呼ばれ、竹林の東西南北にぶら下げて、風向きや音の鳴り方で判断したといいます。

日本では邪気払いに使われた「風鐸(ふうたく)」

風鐸

日本へは仏教とともに渡来したといいます。

お寺の軒四隅に架けられている釣り型の「風鐸(ふうたく)」を目にしたたことがあるのではないでしょうか?

「風鐸」は青銅製の鈴のようなもので、風が吹くとガランガランと大きな音でなります。

この音が邪気を払い、音の聞こえる範囲には、悪いものが寄り付かないと信じられてきました。

そういえば東洋医学では、強い風が吹くと邪気が体の中に入り、病気になるという「風邪(ふうじゃ=カゼ)」という考えかたがありますよね!

「風鈴」と呼ばれるようになったのは鎌倉時代ごろ

浄土宗・法然上人が名付け親

「風鈴」は、浄土宗の開祖ともいわれた鎌倉時代の僧、法然上人(ほうねんしょうにん)が、「ふうれい」と名付けたことが始まりとか。

現在では同じ漢字を当てて「ふうりん」と呼んでいます。

平安時代後期には、貴族の屋敷でも魔除けとして風鐸を吊るしていたようで、少しずつ夏の暑気払いの道具(夏は疫病が流行りやすい)として広まっていったのかもしれません。

江戸時代中期頃から、鉄や銅などの金属製からガラス製へ

ビードロ(ガラス)

江戸時代に入ると、無色透明のガラス製法がオランダ経由で日本に伝わり、ガラス細工が盛んになってきます。

現在のようなガラス製の風鈴が登場するのは、江戸中期の享保年間(1720年~30年)頃。長崎のビードロ(ガラス)職人が見世物として、大阪・京都・江戸と興行して回り、知られるようになりました。

当時はガラスの原料がなかなか手に入らなかったため、大変高価だったそうです。

当時の値段を今のお金に換算すると、200万~300万円ぐらいになるとか!

当然、大名や豪商だけが楽しめませんでした。

江戸後期には「風鈴蕎麦」が登場!

屋台そば(撮影:深川江戸資料館)

屋台そば(撮影:深川江戸資料館)

宝暦年間(1751~63年)頃、夜になると、江戸の町には「風鈴蕎麦」と呼ばれる屋台そばが登場。

当時は屋台を担いで売り歩くスタイルでしたので、荷台に風鈴をつるし、音で来訪を告げたそうです。

かけそばのみを現金売りしていた「夜鷹そば」と差別化し、上等なそばを売る夜そば売りとして風鈴を吊るしたそう。

きれいな「大平椀(おひらわん)」にかけそばを盛り、薬味を乗せた「しっぽくそば」を売り歩きました(参考資料:飯野亮一著「すし 天ぷら そば うなぎ 江戸四大名物職の誕生」筑摩書房出版)。

掛け声をかけず、風鈴の音色で知らせるスタイルは、明治ぐらいまで続いたそうです。

夏の風物詩、粋な道具へと進化する「風鈴」

風鈴は日本の夏の風物詩へ

天保年間(1830~40年)の頃になると、江戸でもガラスが作られるようになってきます。

すだれやうちわ、打ち水など、高温多湿な夏を涼しく過ごすために、さまざまな工夫を凝らしてきた日本人。

そんな中で風が吹く度に涼しげな音を鳴らす「風鈴」は、夏の風物詩として庶民の間でも親しまれていきます。

吹きガラスに色絵を描いたものが少しずつ作られるようになっていき、明治時代には市中を売り歩く風鈴売りも登場。

こちらも売り声を上げず、風鈴の音色で来訪を知らせたようです。その様子をうたった狂歌が残されています。

「売り声もなくて買い手の数あるは 音に知らるる 風鈴の徳(篠原風鈴本舗・商品説明書より)」

庶民の暮らしの中にも、風鈴が創り出す涼やかな音色が、定着するようになっていったのですね。

「江戸風鈴」を名乗れるは、日本で2か所の工房のみ!

江戸風鈴は篠原本舗のブランド名

江戸時代から伝わる風鈴は、それまで「ガラス風鈴」や「ビードロ風鈴」などと呼ばれてきました。

この昔ながらの手法で手作りされたものを昭和40年(1965年)頃に、「江戸風鈴」と名付けたのが「篠原風鈴本舗」会長の篠原儀治(よしはる)さんです。

「江戸風鈴」と名乗れるのは、現在東京では2か所のみ。

江戸時代から伝わる技術を守り抜き、いまも東京で製造し続けている「篠原風鈴本舗」と、のれん分けした儀治氏の次男である正義氏の工房「篠原まるよし風鈴」です。

いかがでしたでしょうか?

一言で「風鈴」といってもその歴史には奥深いものがありましたね!

次回は「江戸風鈴」の特徴や魅力について、さらに掘り下げてお届けしたいと思います。

■取材協力
篠原風鈴本舗篠原風鈴本舗
東京都江戸川区南篠崎町4-22-5
問合せ先:03-3670-2512
営業時間:9時~18時(12時~13時は昼休憩)、日祝休み
※イベント等のお知らせはFacebookで確認してください。

◆江戸風鈴の見学・制作体験可能【要予約】
繁忙期(7月~9月上旬)をのぞき、見学可能です。
工房見学並びに制作体験希望の場合は、必ず電話でお問合せ頂いた上でご予約ください(日曜・祝日はお休み)。

 

▼江戸風鈴の伝統を今に伝える「篠原風鈴本舗」取材レポート

 

 

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