東京・江戸水運の要「荒川ロックゲート(閘門)」を歩く

下町の風景

荒川ロックゲート(閘門)

「中川船番所資料館」、「旧中川・川の駅」と街歩きを楽しむ最終回は「荒川ロックゲート(閘門)」を訪ねてみました。

「荒川ロックゲート」は、荒川と旧中川を結ぶ閘門(こうもん)と呼ばれる施設です。

水位の違う2つの川の間を船がスムーズに航行できるように、水位を調節するための施設のことをいいます。

ちなみに旧中川・小名木川を経て隅田川へと通行する場合は「扇橋閘門(ロックゲート)」を利用するそうです。

防災にも力を発揮する荒川ロックゲート(閘門)

荒川と旧中川が合流するポイントに設けられている荒川ロックゲート。

じつは、この2つの川の水位差はなんと最大3.2mまでになるそうです。かつては船の往来ができなかったところ、平成17年にロックゲート(閘門)が完成し、荒川と旧中川、小名木川、さらに隅田川と結ぶ水路が完成したそうです。

ロックゲートの両岸にある見学席前扉と後扉の間には階段型の護岸が設けられ、開閉や水位調整の様子を見学できるようになっていました。

閘門の仕組みは、前扉を締めて、後扉から閘門内に船を進め、後扉を閉めます。閘室で次に向かう川の水位に合わせてから、前扉を開けて通航させます。いわば川に備え付けた水のエレベーターといったところでしょうか。

荒川ロックゲートの説明

荒川と隅田川に挟まれ墨田区、江東区、江戸川区の荒川下流域は東京湾の満潮面よりも低く(ゼロメートル地帯)、大きな洪水や地震による被害が懸念されてきました。

水位を合わせるためのスケール

災害で車や電車網がマヒした際に、救援物資や被災者救出に機動力を発揮できるのが水運。このため、荒川ロックゲートを整備することで、自然災害にも備えることができるというわけですね!

荒川ロックゲート周辺は、川からの荷揚げができるようにリバーステーション(緊急用船着き場)が整備され、いざという時も安心なまちづくりを進めているそうです。

江戸時代の荒川は繁栄を支える交通の要所

荒川はかつて埼玉の越谷付近で利根川につながっていたといいます。1629年に利根川から分離させて、隅田川を経て東京湾にそそぐルートに変更させたといいます。

その結果、埼玉県東部低湿地は穀物を江戸へ供給する穀倉地帯となり、船運による大量輸送で江戸の町の胃袋を支えてきたそうです(荒川ロックゲート周辺の変遷より)。

荒川ロックゲート周辺の変遷

NHKスペシャル「大江戸」によると、徳川家康が幕府を開いてからわずか100年ほどで、世界最多の100万の人口を抱える巨大都市となったとか!

江戸の町中に張り巡らされた水路が、そういった繁栄を支えてきたのでしょうね~。

道路にはめこまれたパネル

道路に江戸水運を紹介するパネルが埋め込まれてた

それにしても荒川ってでかい・・・。

もはや海のような荒川

この荒川ロックゲートを見学できる屋形船のコースが「船宿 晴海屋」で運行(日本橋乗船場出船)されていますよ!花のお江戸の繁栄に思いをはせながら、ゆったりと船旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

▼ ロックゲートを見学できる屋形船
・屋形船【晴海屋】のお料理プラン(勝どき・晴海)
「花のお江戸歴史クルーズ 小名木川コース(2)」で東京スカイツリーと荒川ロックゲートを回ります。出船時間は10時~13時で、1時間30分の周遊。
・屋形船【大江戸】のお料理プラン(品川)
「大江戸歴史クルーズ 小名木川・スカイツリーコース」で東京スカイツリーと扇橋閘門を体験できます。出船時間は10時~15時で、1時間30分の周遊。
※詳しくは「屋形船の達人」までお問合せください。

■施設概要

荒川ロックゲート(閘門)
住所:江戸川区小松川1丁目地先

 

アクセス:
・都営地下鉄新宿線「東大島駅」下車徒歩約15分

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