東京で屋形船を楽しむなら、やっぱり浴衣を着てみたい!それも自分で!!
ということで、まったく着付けできない編集部女子2名が孤軍奮闘。1人で浴衣が着れるようになるまでを追いかけた汗と涙のドキュメンタリー記事をお届けしています。
第1回目は浴衣の下につける肌着の着方、2回目は補正タオルの使い方をご紹介しました。
第3回目はついに、いよいよ、浴衣を着る段階へ入ってまいりました。
今回は、浴衣をはおり、腰紐(こしひも)をしっかり結ぶまでを解説。
「腰紐を結ぶ!?」が意外に難しく、さらなる壁が編集部女子2名の前に立ちはだかります。がんばれ!
浴衣を着る前に使うものをひととおり準備しておく
腰紐や伊達(だて)じめ、コーリンベルト、帯などをまとめて準備しておきます。
ちなみに腰紐は、ぱっと広げられるように巻いておきましょう。
腰紐は最初に半分に折り、端っこ側から巻き始めます。
巻き終わった紐の端を輪の中心に、入れ込むように乗せて出来上がり。
こうしておくと、輪の中心に乗せた紐の端を持って引くと、片手で一気に広がって便利!浴衣を結ぶときにまごまごしません。
いよいよ浴衣の着付けをスタート!
浴衣を持ち上げるときは、襟に人差し指をひっかけ、もう片方の手の人差し指を左右の襟の間に入れて、襟を揃えて後ろへもっていきます。
後ろで浴衣をしっかり広げたら、肩にかけましょう。
(1)浴衣をはおり、背中線がまっすぐになるよう左右のバランスを調整
袖は右ひじから通します。両袖通したら、着物の背中線(縫い線)が体の真ん中にくるように、左右に袖を引き、バランスを調整します。
(2)浴衣の裾(すそ)を合わせる
右手で襟先(えりさき)から手幅1つ分ぐらい上を持ちます。イメージとしては腰紐をかける部分の少し上ぐらいです。
左手で背中心をつまんで下から上にまっすぐ引き上げ、裾から光が入らないように、床ぎりぎりまで持ち上げます。裾と床は平行になるように。
イメージとしては裾で床掃除をするような感じで引きつつ、くるぶしが隠れるぐらいまで(浴衣の場合は多少短めでもOK)床すれすれまで上げるのがポイントです。
(3)浴衣の上前(うわまえ)を合わせる
続いて上前を合わせます。
ここで解説する「上前(うわまえ)」は、着たときに上にくる(着ている人にとって外側にくる)身ごろのことで、左手に持っている方の身ごろのことです。
「下前(したまえ)」はその逆、内側にくる方の身ごろで、右手に持ってる方の身ごろになります。

先に上前の位置を決める
浴衣の左脇線が体の左側に来るように持ってきて、上前の位置を決めます。
続いて決めた上前の位置を動かさないように広げて、下前で体をくるむようにかぶせます。

下前の位置はココ!
下前は脇で少し持ち上げて入れ込むイメージです。
もし、浴衣が大きすぎる場合は、下前の脇で折り返しても大丈夫です。

上前を戻します
ここまでの流れを動画で確認してみましょう。
上前の裾は横一直線になるように。正面から見た時、下前が見えない位置に調整を!
芸者さんなどがよくやりますが、上前が上がりすぎていると初々しくみえないのでNG。
(4)腰紐(こしひも)を結ぶ

右手で腰紐の中心を持つ
続いて腰紐です。右手で腰紐の中心を持ち、右の腰骨のすぐ上に当てます。
先ほどのように巻いて準備してあれば、中心に乗せた輪の部分をつまんで持ち上げるだけで、この体制になれますよ!
腰骨(こしぼね)の指2本くらい上に紐をかけ、後ろへ回して交差。
この時、補正タオルの上に紐がかかるように後を少し持ち上げるようにかけましょう。
紐を体の前でなるべく平らになるように交差。体の右脇寄りで腰紐を重ねます。
重ねた部分を上からしっかり押さえつつ、下側になった紐を上から腰にまいた紐の間を巻き付けるように2回くぐらせます。
この時、重ねたところを押さえたまま巻き付けるとゆるみにくいです。
続いて紐を横に引いて、しっかり締めたら、紐を縦方向にすると結び目が小さく
なってしっかり結ぶことができます。
後々ゆるんでくるので、ここは思い切って締めないと着崩れの原因になりますので注意。
帯を付けたときにゴロつかないよう、方輪結び(かたわむすび)をします。
上側の紐を右手の親指・人差し指に上から巻き付けるようにしてからめ、輪っかをつくります。親指・人差し指を直角にしてその周りに巻くイメージです。
つくった輪の中にある右手の親指・人差し指で下側の紐を持ち、輪から引き出します。
それと同時に、左手で下側の紐を左斜め下に引いてしっかり締めます。下側の紐は全部引き抜いてしまわないように注意。
あまった紐は、左右それぞれ腰に巻いた紐に挟むようにしまいます。腰紐がなるべく平らになるように処理するのがコツです。
浴衣をはおり、腰紐を結ぶまとめ
浴衣を着付けはじめたら、思うように身動きがとれません。なので、必ず必要な備品はすぐに手に取れるよう、また、片手で扱えるように準備しておきましょう。
また、腰紐はしっかり締めないと、のちのちの着崩れに結びつきます。なるべく平らになるように処理しないと、結び目が体に当たって痛くなるので要注意!
腰紐の結び方「方輪結び」はちょっとわかりにくいかもしれません。浴衣を羽織る前に、手順を何度か練習しておくといいですね。
浴衣を羽織り腰紐を結ぶまでのコツ
■浴衣の背中線(縫い目)はまっすぐ、襟が左右どちらかに傾かないように合わせる
■浴衣の裾は床ぎりぎり(くるぶしが隠れるぐらい)、平行になるように合わせる
■浴衣の上前(前身ごろの生地)がきちんと自分の正面に来るように調整
■浴衣の下前は脇で少し持ち上げて入れ込むイメージ、余ったら脇で折り畳んでもOK
■腰紐は腰骨のすぐ上で、補正タオルの上を通るように後ろを少し持ち上げるようになるべく平らに巻き付ける
■腰紐は前よりもやや右脇よりで締める
■紐の結び目がゴロゴロ邪魔にならない「方輪結び」がおすすめ
次回4回目は、浴衣のおはしょり、襟の位置、しわやたるみをとって帯を結ぶ前までを解説しますよ!